SPIショック

SPIというゲーム出版会社が昔アメリカにあった。ウォーゲームを中心に出版している会社だったが、現在はなくなっている。

日本で本格的にウォーゲームが遊ばれ始めたとき、アバロンヒル社のゲームと並んでホビージャパンが日本語訳を付けて輸入販売していた。

高校生だった当時の私には、ルールに凝った、ややマニアックなゲームを出す会社という印象だった。(いや、ウォーゲームというホビー自体が相当にマニアックな遊びだとは思うのだけれど)

しばらくして、そのSPIが倒産したと知った。今のようなネットのない時代だったのでから、多分タクティクスの記事で知ったのだと思う。

徐々にSPI社のゲームが手に入らなくなった。また、国産のウォーゲームを出版していたエポック社もウォーゲームの出版から撤退して、そのゲームは手に入りづらくなった。入手難になりつつあるこれらのゲームを手に入れるために、新幹線で大阪から東京へ行って新宿のイエローサブマリンにでゲームを買って帰る。岡山のボードウォークに行って帰る。そういうことを何度か繰り返した。それなりの交通費を支払って、いつもただゲームを、買って帰るだけである。ネット通販はまだ無かったけれども、郵便での通販は普通にあったので通販で買えばよいのだろうけど、どうしても実物が見たくてわざわざ出向いていた。(このゲーム購入行脚?)この過程でナポレオニックのバタイユシリーズとかカードゲームのMTGも手に入れた。

欲しいと思ったゲームを手に入れられなくなる恐怖?をこの時に感じ、最近はプレイする予定がなかったり、実質完全なプレイが不可能なビッグゲームでも購入してしまう癖がついた。自分的にはSPIショックとでも名づけておきたい。

数年前、D&Dの3.5版がどうしても欲しくなった。当時は4版が出版されていて、英語版ではもう5版も出版されていた。日本語でもクイックスタートは5版が確か出ていた様に思う。

4版は基本のルールは持っていたのだけれど、それまでのD&Dとあまりに違うので好きになれず、5版もクイックスタートを読んだだけでは物足りなかった。もともとファンタジーものTRPGはルーンクェストが大好きで、D&Dのレベルやヒットポイントの観念は好きじゃなかった。D&Dは赤箱以来、遊んだことがなかったので3.5版が出版されていたときも、やたらとゴツイルールブックだなー程度に思っていたのだけだったが、オンラインゲームのDDOが大好きになり、D&Dのキャラクター成長の楽しみと、戦術級のウォーゲームの様なボードゲーム的楽しさを理解して、3.5版でエベロン世界を遊びたいと思うようになってしまった。

なってしまったら、SPI倒産時のショックが蘇り、3.5版なんとか今手に入れなければと言うことで、WEBで在庫を検索してヤフオクやアマゾン、駿河屋、トレイダーズギルド、丸善など総動員でプレイヤーズハンドブックからエベロン関連の既成シナリオまで全部で23アイテムを手に入れた。既に定価よりも高額になっているものがほとんどだったが、結構な費用を費やして手に入れたのだ。

で、いざプレイしてみようというところで、いつもTRPGをしている仲間は全員が3.5版を持っているわけじゃない。自分としては、必ずしもプレイヤーのルールブック所持は求めない方針だけど、それだとゲーム中の戦術的楽しみ、キャラクター育成計画の楽しみというわざわざD&Dを遊ぶ要素が追求しづらくなる。

そこで目をつけたのがパスファインダーだ。パスファインダーはまさしくD&Dの正当貢献者という感じ出し、有志の活躍によりその基幹ルールはWebで読める。というわけでエベロン世界を、パスファインダーのシステムで遊ぶということになったわけだ。

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