戦闘は多くのTRPGのもっとも盛り上がる状況で、メインのコンテンツといえるでしょう。このW&Wにおいてもそれは変わりません。この章では戦闘の解決の為の戦闘シーンの仕組みと、物理的な攻撃手段の(つまり魔法以外の)解決方法を解説します。魔法を使っての戦闘は後の【魔法】の章で解説します。
戦闘シーンの開始
ゲームを進めていくうえで、ゲームマスターが必要と判断したならば、ゲームは戦闘シーンに入ります。 ゲームが戦闘シーンに入ったならばゲームマスターはそれを宣言し、以降は戦闘シーンが終了するまで戦闘ターンと呼ばれる手順を繰り返すことによって進めていきます。一度の戦闘ターンは実際の12秒間に匹敵します。また、戦闘シーンは基本的にボードゲームの様にマス目が描かれた地図上でおこないます。
戦場
戦闘シーンを始めるに当たって戦場をあらわす地図を準備します。地図上には四角形のマス(スクエア)か六角形のマス目(ヘックス)を描きます。ひとつのマス目の中心から隣接するマス目の中心の距離が2メートルになるように描くと色々便利です。
二つのマス目の間の距離を数えるときは数え始めのマス目は数えず、目標のマス目は数えます。つまり、隣接するマス目同士の距離は1マス(2メートル)ということになります。クフルビア世界ではこの1マスの距離をメアルと呼びます。(1メアル=1.5m)また、1,000メアルが1キアルになります。さらに30キアルを1へクールと呼びます。
目標のマス目は数えます。つまり、隣接するマス目同士の距離は1マス(1.5メートル)ということになります。クフルビア世界ではこの1マスの距離をメアルと呼びます。(1メアル=2m)また、1000メアルが1キアルになります。さらに20キアルを1へクールと呼びます。
1へクール(40km)=20キアル=20000メアル(50000m)
1ヘクールは旅なれた者が街道を通った場合の1日の移動距離です。
地平線
クフルビは私たちの地球と同じように球形の世界です。そのために地平線や水平線が存在します。クフルビア世界での地平線までの距離は2キアルになります。人間大の大きさの存在は、その距離まで近づいて初めて視認されます。
戦闘ターン
戦闘ターンの基本とアクションポイント
戦闘シーンでは戦闘ターンと呼ばれる手順の繰り返しによってゲームは進行します。 戦闘ターン毎に各キャラクターは自身のアクションポイント(AP)を消費して様々な行動(アクション)をおこします。基本的には、一人のキャラクターの行動が全て終わってから、別のキャラクターが行動します。キャラクターが行動行動するこのタイミングを、そのキャラクターの手番と呼びます。キャラクターの手番は、「パス」や「待機」を宣言することによって、分割されることがあります。また、「強制中断」されると、自動的に分割(中断)されます。
キャラクターのアクションポイント (AP) は各戦闘ターン毎の使い切りで、次ターンに持ち越されることは決してありません。 各キャラクターのアクションポイント(AP)は以下のようになります。
AP=(QUI+INT)/4+〈戦闘経験〉技能レベル+5 (端数切り上げ)
最初の戦闘ターン
戦闘シーンのはじめ、最初の戦闘ターン開始時には、その戦闘ターンで使用できるアクションポイントはダイスを振って決定します。完全な遭遇戦の場合、各キャラクターは1d6を振り、その出目分だけアクションポイントを減じて戦闘ターンを開始します。アクションポイントの減少は一時的なもので次の戦闘ターンからは、ターン開始時にアクションポイントは全快し、もうダイスによって減らすことはありません。
完全に準備ができて戦闘ターンを迎えるキャラクターは、このダイスを振る必要がありません。逆に不意討ちを受けるキャラクターは1d6のかわりに2d6を最初のターンのアクションポイントから減じなくてはなりません。 次の戦闘ターンからはこのアクションポイント(AP)の減少はありません。
途中参加
戦闘シーンに途中から参加するキャラクターは、参加する最初の戦闘ターンだけアクションポイント(AP)が1d6だけ減少します。
不確かなイニシアティブ(選択ルール)
この選択ルールを採用すると、最初の戦闘ターン以外でも、戦闘ターンのはじめに1d6を振り、アクションポイントを減らします。このルールを採用する場合は、最初の戦闘ターンでも、たとえそれが遭遇戦でなく、どちらかの待ち伏せであってもダイスを振ります。待ち伏せを行う側は1d6、待ち伏せを受ける側は2d6を減じます。それ以外は通常のルールどおりの行動順になります。
手番の実行
戦闘ターンでは基本的にアクションポイントを多く持っている者からそれぞれの手番を実行します。そのキャラクターがすべてのアクションポイントを消費するか、「パス」または「待機」を宣言するまで、そのキャラクターの手番がつづきます。もしくは後述する手番の強制中断が発生するまでそのキャラクター手番は続きます。手番を実行中のキャラクターのアクションポイントが枯渇するか、パスまたは待機が宣言されたなら、その時点で「待機」状態のキャラクターが手番を行う権利を得ます。「待機」状態のキャラクターが手番を行わない場合は、その時点で一番アクションポイントの多いキャラクターの行動となります。
アクションポイントが同じ場合は、次の優先順位で行動を行います。
1)QUIの高い者から行動します。
2)INTの高い者から行動します。
3)戦闘経験技能レベルの高い者から行動します。
4)プレイヤー側から行動します。
ここまで同じならば、プレイヤー側で同じ行動順のキャラクターがいる場合は、プレイヤー間で相談して決めて構いません。NPC側はゲームマスターが決定します。
パスや待機はそのキャラクター手番の途中(アクションポイントが残っている)でも宣言できますし、手番の最初(まったく行動を行わず、すべてのアクションポイントが残っている状態)でも行うことが出来ます。
「待機」を行っているキャラクターが複数存在し、このタイミングで手番を行うことを望むならば「待機」を行っているキャラクターの中で上記の1)~4)の優先順位で行動できます。これによって「待機」中だったキャラクターの手番が行われた結果を見て、続いて手番予定だった「待機」キャラクターは手番を取りやめ「待機」を継続することが出来ます。その際には待機によるさらなる2APの喪失を被ることはありません。
パス
アクションポイントを残して「パス」を宣言したキャラクターは、次に残りアクションポイントで判断される順番で行動を行います。全員が「パス」を宣言して一巡すると、例え誰かのアクションポイントが残っていても、その戦闘ターンは直ちに終了します。残りのアクションポイントも次の戦闘ターンへ持ち越しできません。つまり、その戦闘にかかわる全員がパスしているか残りアクションポイントがゼロになったとき、その戦闘ターンは終了し次の戦闘ターンに移行します。
あるキャラクターがパスすることで次のキャラクターに行動手番が回るとき、待機状態のキャラクターは順番を割り込ませて自分の手番にすることが出来ます。「待機」はパスによって生じる手番の交代に常に優先して割り込むことが出来ます。「待機」状態のキャラクターがいないか、手番の実行を望まない場合は、 「パス」を宣言したキャラクターを除いてその時点でもっとも多くのアクションポイントを持っているキャラクターの手番になります。そのキャラクターも「パス」を宣言した場合は、その次にアクションポイントの多いキャラクターの手番になります。
待機
待機を宣言すると、パスと同じように行動の順番を遅らせることができます。パスとの違いは、待機の場合は他のキャラクターの手番に割り込んで行動を行える点です。待機には条件付と条件無しの2種類があります。単に「待機」といえば条件なし待機を指します。また、待機を行うと、「パス」とは違い残りのアクションポイントが減少する場合があります。
条件付き待機
条件付待機とは待機を宣言したときに、行動するための条件と、行う行動をあらかじめ宣言しておくものです。たとえば「敵が剣を抜こうとすれば、体当たりする」「扉から敵が入ってきたら弓で撃つ」などです。このような条件付待機では、その条件が発生した時点で行動を起こすことができます。たとえば「扉から入ってきたら」の条件の場合は、敵は移動という行動の途中ですが、それに割り込んで待機行動を解決できます。このように待機行動に割り込んで解決できるのは、行動1つだけです。例え残りのAPが潤沢にあっても、それ以上は割り込みで行動できません。残りのAPをもちいた行動に関してはパスもしくは条件なし待機として、後に使用することができます。条件付待機では条件なし待機のように、アクションポイントが2点減じられることはありません。
条件付き待機は誰かの手番が終わる度に、自発的に終了することができます。また、条件付き待機の条件が満たされないまま戦闘ターンが終了したならば、その時点で条件付き待機を終了するか、次の戦闘ターンに継続するかを決定しなければなりません。次の戦闘ターンまで継続する場合は、新しい戦闘ターンの最初のから条件付き待機した状態になります。(新しい戦闘ターンのアクションポイントで決まる手番の順序に関係なく。)また条件付き待機は、通常の待機のように誰かの手番が、終了したときに待機として自身の手番を行うことはできません。
条件無し待機
条件無し待機の場合は、他のキャラクターやモンスターの手番中に割り込むことはできません。しかし、一人(1匹)の手番が終了した時点で、次の一人(1匹)の手番との間に自分の手番を入れることができます。条件無し待機の場合、使用できるアクションポイントは、その時点での自身の残りアクションポイントから2を差し引いたものになります。言い換えれば条件無し待機を宣言した時点で残りのアクションポイントは2減少することになります。
単にゲーム上で待機と表現したときは条件なしの待機になります。
その戦闘シーンに参加しているすべてのキャラクター、「パス」を宣言しているかAPがゼロの状態になっているかのどちらかになれば、その戦闘ターンは終了します。それに加えて「待機」を宣言しているキャラクターが残っている場合は、待機を宣言しているキャラクターは自身の手番を行うか「パス」を宣言するかしなければなりません。「待機」は次の戦闘ターンへ継続することは出来ません。このような状態で、「待機」をしているキャラクターが複数存在している場合は、残りのAPの多いものから手番を行うか、「待機」をするか、「パス」をするかを宣言します。「待機」で残っている全員がさらに「待機」を望む場合は、最も残りAPが少ないキャラクターはもはや「待機」を選択できず、手番を行うか「パス」を宣言しなければなりません。
手番の優先順序
ある手番が終了し、次の誰が手番を行うかは基本的に以下の優先順位で決定します。上段ほど優先されます。
- 反撃による手番の強制中断が発生した場合は、その反撃を行った者
- 「待機」中の者、複数の「待機」が存在する場合はその中でAPの多い者
- 「待機」中でないAPの最も多い者
- 以降はQUI、INT、〈戦闘経験〉、プレイヤーキャラクターの順で優先されます。
「待機」中で手番を始めるのは、その「待機」している者が手番をはじめることを望む場合だけです。「条件付き待機」を行っているキャラクターは条件が満たされるまで手番を行えません。
アクションの宣言
キャラクターは戦闘ターンに自分の手番となったら、そのアクションポイントの範囲内で実行する行動(アクション)を宣言します。行動(アクション)の宣言は、行動 (アクション)の内容と順番を明確に述べます。行動(アクション)の宣言は、一度にその手番のに行う予定のすべてを宣言する必要はありません。また、実際に行動を実行していくことによって、既に宣言した行動を変更したり、取りやめたりすることも可能です。(もちろん既に実行してしまっている行動を取りやめることは出来ません。)
例えばあるキャラクターが12APをもって自分の手番を迎えた場合、3マス移動して正面のオークを通常攻撃するという行動を宣言すると、実際に行われる行動は通常移動(2AP)通常移動(2AP)通常移動(2AP)通常攻撃(武器のAP)という4つの行動を行うことになります。武器がブロードソードだとすると通常攻撃には3AP消費するので、ここまでで9APを使用したことになります。残りの3APの行動宣言に関しては、通常攻撃の結果を見てからの判断ということにしてかまいません。たとえば、攻撃が成功して正面のオークを無力化できれば、さらに1マス移動するとか、オークを仕留め損なった場合は、オークの反撃に備えて3APを残してパスを宣言しておくなどです。
強制中断
自身の手番は基本的にアクションポイント(AP)が枯渇するか、「パス」もしくは「待機」を宣言するまで続きますが、以下のどれかの事態が発生した場合は、手番は強制的に中断されます。これを手番の強制中断と呼びます。
強制中断によっては手番が終了した場合は、次の手番は強制中断の原因によって異なります。強制中断の原因となる出来事は以下のようなものです。
- 臨機攻撃や条件付き待機による攻撃を受けて重傷以上の負傷を負った場合。選択ルールの耐痛判定を導入している場合は、軽傷でも耐痛判定に失敗すれば強制中断されます。
- 攻撃を行った結果として即時反撃を受け、即時反撃をの命中判定に成功した場合、即時反撃に対して更なる即時反撃を返せない限り手番は強制中断されます。
- 手番途中で行動不能や意識喪失状態に陥った場合。
- 行動中の何らかの行為判定で致命的失敗をしたとき。
強制中断によって手番が中断した場合、その後の手番がどのようになるかは上記の発生事由によって異なります。
1と4のケースでは通常の「待機」として扱われます。すなわちAPを2消費し、次の手番はその時点で、最もAPの多いものになります。この時点で手番を強制中断された者のAPが2APを失っても、未だに最も多かった場合は、再び手番を続けることが出来ます。(待機による2APは失ったままです。
2のケースでは、反撃を実行した者の手番が、そのまま続けられます。 手番を強制中断された側は2APを失い「待機」となります。その時点の残りAPの多寡に関わらず反撃を成功させた者が手番を実行する点が、他の事由とは異なります。
3のケースでは意識喪失の場合は当然残りのアクションポイントをすべて失います。行動不能ではアクションポイントへのペナルティー(APを半分にする)を負って「待機」状態になります。(半分になった後で待機による2APの損失を被ります。)
アクション(行動)の種類
通常攻撃
使用する武器に定められたアクションポイントを消費して、武器を用いた通常攻撃を行います。(射出武器の場合は自動的に3APです。)
使用している武器の技能判定に成功すれば攻撃が命中します。
効果的成功をすれば、ダメージ判定の際に武器の打撃度が1.5倍になります。(端数切り捨て)
決定的成功をすれば、武器の打撃度が2倍になります。3以上の致命打撃力を持っている武器を使用している場合は、打撃度はその致命打撃力だけで倍加します。効果的成功の場合も決定的成功の場合もSTRによる打撃度修正も増えます。
高難度攻撃
通常攻撃よりもより、防ぎにくい攻撃を繰り出します。高難度攻撃では、命中判定の成功倍率が1以上引き下げられます。成功倍率の引き下げは攻撃を行うものの任意で決定できますが、1引き下げるごとに要求技能レベルが+1されます。つまり成功倍率を2引き下げる高難度攻撃は技能レベルが3以上ないと、要求技能レベルが満たせないことになります。
高難度攻撃が命中すれば、攻撃を受けた側は同じ成功倍率の修正を適用して「受け流し」や「回避」を行わなくてはなりません。ただし、この防御側の判定では要求技能レベルの上昇は起こりません。
高難度攻撃は命中判定や受け流し判定、回避判定の成功倍率が引き下げられる以外では、通常の攻撃として処理します。
また、高難度攻撃は下記の部位狙い攻撃や強打攻撃と組み合わせて実行することが出来ます。その場合は要求技能レベルは組み合わせる攻撃の要求技能レベルと高難度攻撃の要求技能レベルのどちらか高いほうを用います。成功倍率修正はその合計を使用します。例えば成功倍率を3引き下げる高難度攻撃と部位狙い攻撃を組み合わせて実行する場合は、要求技能レベルは4、成功倍率修正は-4になります。(相手がこれを受け流す成功倍率修正はあくまで-3です。)
部位狙い攻撃
武器に定められたアクションポイントの2倍のアクションポイントを消費します。
要求技能レベル 3 成功倍率 -1
部位狙い攻撃に効果的成功をすると、命中箇所判定の必要なく、狙った身体部位に命中します。
結果が通常の成功だった場合は命中箇所判定が必要です。命中箇所判定で、効果的成功の場合は狙った部位に命中しますが打撃度1.5倍の修正はつきません。
決定的成功の場合は、狙った部位に命中して、なおかつ打撃度の倍加が起こります(致命度値を使用)。
部位狙いは通常、ひとつの身体部位を狙いますが、更に細かく狙うこともできます。例えば、頭部を狙う代わりに眼を狙う。脚部を狙う代わりにアキレス腱を狙うなどです。こういった細部の部位狙いの場合は決定的成功の場合のみその狙った箇所に命中します。効果的成功では狙った箇所を含む身体部位に命中し、通常の成功の場合は命中部位はランダムになります。
強打攻撃
アクションポイントは武器に定められたコスト。
要求技能レベル 2 成功倍率 -2
強打攻撃は、近接戦闘でのみ行えます。遠隔戦闘では行えません。
強打攻撃が命中した際には、通常の命中でも武器の打撃度がSTRによる打撃度修正を加えた後、1.5倍になります(通常攻撃の効果的成功のように)。また、効果的成功では致命打撃力倍になります(通常攻撃の決定的成功のように)。また、決定的成功の場合は致命打撃力が1増えます。(致命打撃値が3の武器なら4として扱います。)
部位狙い攻撃と強打攻撃は合わせて部位狙い強打攻撃として行うことができます。その場合の結果判定は両方のルールに則って解決します。部位狙い強打攻撃の消費アクションポイントは、2倍になり、なおかつ成功倍率に-3の修正が課せられます。命中箇所については部位狙い攻撃のルールが適用され、打撃度に関しては強打攻撃のルールが適用されます。
突撃
消費アクションポイントは武器のアクションポイント+(走行移動分)です。
要求技能レベル 2 成功倍率 -2
突撃を行うには2メアル(4メートル)以上の直進の走行移動が必要です。突撃は常に走行移動と組み合わせてひとつの行動として実施されます。
突撃は、移動と攻撃の二つのアクションを同時に行うもので、これでひとつのアクションとして考えます。つまり走行移動のあとに続く攻撃への割り込みは行えないということです。ただし、対応行動の受け流しと、回避は行えます。突撃攻撃は成功すると武器の打撃値に3メートルを超えて直進した1メートルにつき1点を加えることができます。刺突用の両手武器(槍や矛)の場合は3点を加えることができます。突撃を受け流したり回避したりする場合は、その成功倍率が+1されます。突撃攻撃が、うまく躱された際にはバランスを失う危険性があります。突撃を相手が回避に効果的成功で成功した場合は、突撃を行った側はDEX(5)の判定を直ちに行い、失敗した場合は追加でアクションポイントを3点失います。
突撃の直進距離は、突撃を行う者の移動力の3倍までが有効です。それ以上の距離を直進しての突撃は、それ以上の追加の打撃値を与えません。(例えば、人間の場合、移動力は2メートルですから8メートル直進移動する突撃を行ったとしても、打撃値+3が限界となります。)
1マス1メアル(2メートル)のマスを使った戦闘を行っている場合は、3マス以上はなれている場所からの攻撃だけが突撃とすることができます。3マスの距離は3メアル(6メートル)なので、打撃力は+2(槍などは+6)となります。
受け流し
武器や盾での受け流しは、常に相手の攻撃に対する対応行動として解決します。そのため攻撃してきた者の手番に割り込んでのアクション(対応行動)となります。受け流しに必要なアクションポイントはその武器のアクションポイントです。
盾での受け流し
アクションポイントは盾に定められたコスト。
要求技能レベル 1 成功倍率 修正無し
盾での受け流しに成功すると、通常成功の相手の攻撃は無効化されます。
盾での受け流しに効果的成功をすると、効果的成功までの攻撃を受け止めた上に、そのままの動作で連続して反対の手の武器で即時反撃を行うことができます。盾での受け流しの効果的成功は、絶好の反撃チャンスなのです。受け流しからの即時反撃では、通常の攻撃よりもAP消費が1少なくなります。
盾での受け流しで決定的成功をした場合は、相手の攻撃を完全に無効化し効果的成功と同じように反対の手で反撃を行えます。
武器での受け流し
アクションポイントは受け流しに使用する武器のコスト
要求技能レベル 1 成功倍率 修正無し
武器での受け流しに通常成功すると、通常成功した相手の攻撃を受け流すことができます。効果的成功で受け流した場合は、効果的成功までの攻撃を受け流すことができます。決定的成功の場合も同じく決定的成功までの相手の攻撃を受け流すことができます。決定的成功の場合は使用した武器での即時反撃が行えます。その際の消費APは1だけ減少します。
二刀流武器での受け流し
アクションポイントは受け流しに使用する武器のコスト
要求技能レベル 1 成功倍率 -1(両手利きの特典があれば修正無し)
両手に武器を装備している場合(2刀流)、片手で受け流してもう片手の武器で反撃する形となり、盾での受け流しと同じように解決します。反撃も盾受けと同じように行えます。(効果的成功では、受けに使用したのではない武器で即時反撃を行えます。決定的成功の場合は受けに使用した武器で即時反撃することも可能です。)
回避
消費アクションポイント 2
要求技能レベル 1 成功倍率 なし
敵の攻撃を受け流すのではなく、身を躱して、回避することもできます。回避も成功すれば相手の通常成功の攻撃を無効化できます。
回避に効果的成功をすれば、効果的成功までの攻撃を無効化し、受け流しと同じように反撃に移れます。回避の場合は装備武器が1本でも効果的成功なら反撃できます。反撃の命中判定の成功倍率はやはり-1されます。決定的成功ならば成功倍率の修正はありません。
また、突撃に対して回避を効果的成功させた場合、相手は、直ちにDEX(5)判定を行わなくてはなりません。失敗すれば、バランスを崩し、アクションポイントを3点失います。致命的失敗の場合は、アクションポイントを失った上に転倒します。
即時反撃
消費アクションポイント 武器のアクションポイント -1
要求技能レベル 1
自身の間合い内に居る敵によって攻撃をうけ、敵が攻撃の命中判定に失敗した場合は即時反撃を行うことが出来ます。
また、敵の攻撃は命中判定に成功したが、効果的成功以上で<回避>成功した場合も即時反撃を行うことが出来ます。
以上の二つのケースでは、手にした近接武器か身体武器のどれかを使って即時反撃を行えます。
<受け流し>に効果的成功した場合は、受け流しに使用した武器と違う手に持っている近接武器ならば即時反撃できます。<受け流し>でも決定的成功の場合は、受け流しに使用した武器や身体武器でも即時反撃を行うことが出来ます。即時反撃を行い、その命中判定に成功すれば、相手の手番は強制中断されます。強制中断の発生は即時反撃に対して受け流しや回避に成功しても同じです。
即時反撃に対しても、条件さえ整えばさらに即時反撃を行うことが出来ます。即時反撃の応酬はそちらかのアクションポイントが尽きるまで続く可能性があります。しかしながら、何処かの時点で強制中断が発生すればもともとの攻撃側の手番が強制中断されることには変わりありません。
即時反撃では、必要なアクションポイントは1点少なくてすみます。また、即時反撃で「高難度攻撃」「強打攻撃」のどれかをもしくは両方を行うことは十分に可能ですが、その場合は本来のその組み合わせに消費するアクションポイントを消費しなければならず(1点減少しない)また、要求技能レベルは1レベル分だけ上昇します。注:「突撃」や「部位狙い攻撃」を即時反撃としては行えません。
通常移動
2アクションポイントの消費で移動力(人間の場合は2)メートル移動できます。マス目を使っている場合は1マスです。マス目を使って戦闘シーンを行っている場合はこの移動アクションの途中で自由に向きをかえることが出来ます。移動アクションが終了したならば次の移動アクションもしくは、対応行動までキャラクターの向きはそのままです。
走る
2アクションポイントの消費で移動力(人間の場合は2)の2倍メートル移動します。早足の特典を持っていれば3倍メートルの移動(人間なら5メートル)
一度でも走った戦闘ターンでは、以降すべての行動判定の成功倍率が−1されます。
疾走
2アクションポイントの消費で移動力4倍のメートル移動する。(早足の特典を持っていれば、5倍)
一度でも疾走した戦闘ターンでは以降、すべての行動判定に成功倍率−2の修正がかせられます。)
疾走を行うと直ちにCON(5)の判定を行います。これに失敗すれば、この戦闘ターン終了時に一時的疲労状態となります。この疲労の判定は1戦闘ターンに一度のみです。
一時的疲労状態では全ての行為判定に成功倍率-1の修正がつきます。この状態は2戦闘ターンの間継続します。既に一時的疲労状態のときは疾走をおこなうことができません。
後退
4アクションポイントの消費で移動力分の後退を行うことができます。後退は文字通り後ろ向きに歩くので、敵から遠ざかるときなど、臨機攻撃に対する、受け流しや回避を行うことができます。
緊急後退
4アクションポイントの消費で移動力の倍の距離を後退します。緊急後退を行った場合は直ちにDEX(5)の判定を行います。もしこれに失敗すれば転倒します。
武器を構える
鞘の中の剣を抜いて構える。背中の盾や弓を準備する。行為は通常2アクションポイントを消費します。
狙いを定める
弓や弩などの射撃武器の狙いを定めるには3アクションポイントを消費します。狙いを定めると。命中判定の成功倍率を+2することができます。
簡単な動作
扉を開けるとか閉める。大声で叫ぶ。物を拾う。等は2アクションポイントを消費します。
複雑な行為
鍵無しで鍵を開ける、罠を解除する。魔法陣を描くなどの複雑な行為は普通アクションポイントを5ポイント以上消費します。実際の消費量はGMが判断することになります。その行為がアクションポイントをすべて消費しても、行えない場合は、次の戦闘ターンもそのままアクションポイントを消費することになります。
ターンを跨る行為
6AP以上を消費する行為だけが戦闘ターンを跨って継続します。それ以下のAPコストの行為は戦闘ターンを跨って実行することは出来ません。
APコスト表
近接攻撃 | 消費AP | 要求技能レベル 1 難易度 0 通常の近接攻撃です。 |
攻撃 | APの2倍 | 要求技能レベル 3 難易度 -1 特定の命中箇所を狙った攻撃です。 成功→ 通常命中 効果的成功→狙った部位に命中。効果的成功の打撃度1.5倍は適用されません。 決定的成功→狙った部位に命中。打撃度の倍化も起こります。 |
AP | 要求技能レベル 2 難易度 -2 射撃戦闘では行えません。 武器の打撃度が、通常の成功でも1.5倍になります。 効果的成功の場合は、武器の打撃度が致命度値倍になります。 決定的成功の場合は、武器の致命度値が1増えます。 |
|
受け流し | AP | 要求技能レベル 1 難易度 0 通常成功 通常成功の攻撃を受け流す。 効果的成功 効果的成功までの攻撃を受け流す。 決定的成功 すべての攻撃を受け流し、即時反撃を行える。 |
受け流し | AP | 要求技能レベル 1 難易度 0 通常成功 通常成功の攻撃を受け流す。 効果的成功 効果的成功までの攻撃を受け流し、即時反撃を行える。 決定的成功 すべての攻撃を受け流し、即時反撃を行える。 |
受け流し | 要求技能レベル 1 難易度 0 通常成功 通常成功の攻撃を受け流す。 効果的成功 効果的成功までの攻撃を受け流し、即時反撃を行える。 決定的成功 すべての攻撃を受け流し、即時反撃を行える |
|
要求技能レベル 攻撃側の技能レベル 難易度 0 通常成功 → 通常成功の攻撃を回避する。 効果的成功 → 効果的成功までの攻撃を回避する。即時反撃可能。 決定的成功 → すべての攻撃を回避する。即時反撃可能 |
||
攻撃 | 要求技能レベル 1 難易度 0 | |
命中判定の難易度 +2 | ||
矢などを矢筒からだしてつがえる。 | ||
(人間) | 移動力分の移動 (人間は2メートル) |
|
移動力の2倍距離を移動する。 | ||
ステップ | 戦闘中に背を向けずに後退する。臨機攻撃に対して受けや回避が行えます。2メートル。 | |
鞘の剣を抜く。背中の弓を取り出すなど。 | ||
射撃武器の狙いを良く定める。続いて行う射撃武器の命中判定で難易度+2 | ||
その場にしゃがみます。 | ||
しゃがんだ状態から、伏せます。 | ||
しゃがんだ状態から立ち上がります | ||
伏せた状態や転倒した状態からしゃがんだ状態になります。 | ||
扉をあけるとか、閉める。物を拾う。など。 | ||
複数の動作が組み合わさったような、複雑な行為のAPはそのつどGMが判断して決めます。 | ||
対応行動
「受け流し」や「回避」は通常のアクションと違って、他のキャラクターの行動中にそれが引き金となって行われます。そのためには待機や条件付き待機を行っている必要がありません。こういった半自動的に引き起こされる行動を対応行動と呼びます。対応行動には「受け流し」「回避」の他に「臨機攻撃」「振り向き」があります。
臨機攻撃
敵のキャラクターがこちらの武器の間合いから出ようとしたり、間合い内のあるマスから間合い内の別のマスに移動する場合、その移動しているキャラクターを近接戦闘で攻撃することができます。これを臨機攻撃と呼び、対応行動の一種になります。臨機攻撃は、その行われるタイミング以外は通常の攻撃と同じルールが適用され、通常通りにアクションポイント(AP)を消費します。「受け流し」や「回避」と違って、十分なアクションポイント(AP)が残っていない場合は臨機攻撃を行うことは出来ません。
臨機攻撃を受ける場合、攻撃を受けるマスは間合い内のもとのマスになります。
振り向き
マス目を使う戦闘では、キャラクターは自身の身体の向きを常に地図の上で明確に示さなくてはなりません。通常、キャラクターは自身の視界外から攻撃された場合、その攻撃を「受け流し」たり、「回避」したりすることは出来ません。こうした視界外からの攻撃を受けたならば、その攻撃の成功したかどうかに関わらず、攻撃を受けた対象は対応行動として「振り向き」を行い、攻撃者を視界に納めることが出来ます。この振り向きには特別なアクションポイント(AP)の消費など必要はありません。
視界外からの攻撃を受けた者が<第六感>の技能を持っている場合は、その判定に成功することによって攻撃を受ける前に振り向くことが出来ます。この<第六感>の判定は要求技能レベル1、成功倍率は3になります。
また、元々視界内に居た敵が視界外に移動した場合などは、それに合わせて「振り向き」を行うことができます。その際には<第六感>の判定は必要なく、自動的に「振り向き」を行うことができます。言い換えれば「振り向き」に<第六感>の判定が必要なのは、視界外から急に攻撃された場合のもです。<第六感>の代わりに<聴覚>や<嗅覚>の判定で「振り向き」を行うことも可能ですが、その場合は状況に応じて成功倍率をゲームマスターが判断します。
「振り向き」は基本的に視界を問題としますが、視覚以外の感覚器が発達している異種族やモンスターの場合は、それらによる「知覚」判定で「振り向き」を行うことも出来ます。
武器
W&Wにはいくつもの武器が用意されています。それぞれの武器はさまざまな特徴を持っています。武器は大きく分けて、近接武器と遠隔武器に分かれます。近接武器はいわゆる殴り合って使う武器で、この武器を使った戦闘は近接戦闘と呼びます。手や脚などの自分の身体は身体武器とよび、やはり近接戦闘を行います。遠隔武器には、弓やスリングなどの射出武器とトマホークやジャベリンなどの投擲武器があります。道端の石ころを投げて使う場合なども投擲武器として考えます。
各種の武器は「近接武器一覧表」「身体武器一覧表」「射出武器一覧表」「投擲武器一覧表」に記載されています。投擲武器に関しては近接戦闘で使用する場合は 「近接武器一覧表」 を、遠隔戦闘で使用する場合は 「投擲武器一覧表」 のデータを使用します。
また動物やモンスターの身体武器に関しては、各モンスターの解説に記載されています。各武器一覧表の項目の解説は以下になります。
近接武器
近接武器一覧表
修正 | コード | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ショートソード | 片手剣 | ||||||||||
ロングソード | 片手剣 | ||||||||||
バスタードソード | 片手剣 | ||||||||||
バスタードソード | 両手剣 | ||||||||||
グレートソード | 両手剣 | ||||||||||
シミター | 片手剣 | ||||||||||
バデルエア | 片手剣 | ||||||||||
シャムシール | 片手剣 | ||||||||||
シャムシール | 両手剣 | ||||||||||
トマホーク | 片手斧 | ||||||||||
ハンドアックス | 片手斧 | ||||||||||
バトルアックス | 片手斧 | ||||||||||
バトルアックス | 両手斧 | ||||||||||
グレートアックス | 両手斧 | ||||||||||
ポールアックス | 両手斧 | ||||||||||
クラブ | 片手鉾 | ||||||||||
ライトメイス | 片手鉾 | ||||||||||
ヘビーメイス | 片手鉾 | ||||||||||
モーニングスター | 片手鉾 | ||||||||||
モール | 両手鉾 | ||||||||||
ウォーピック | 片手鉾 | ||||||||||
ウォーハンマー | 片手鉾 | ||||||||||
ジャベリン | 短槍 | ||||||||||
ショートスピア | 短槍 | ||||||||||
ロングスピア | 長槍 |
使用技能
各武器には、その武器を使用するための技能の種類が記載されています。武器技能は、おもにその武器を使って、攻撃を行う場合の命中判定と、その武器を使って防御をおこなう受け流し判定に使用します。
間合
間合いは各武器の長さ(攻撃できる距離)を表しています。実際の攻撃できる範囲は次の図のようになります。また、図の不利な範囲を攻撃する場合は命中判定の成功倍率が修正されます。図の明るいグレーのマスを攻撃する場合は-1、濃いグレーのマスを攻撃する場合は-2になります。

STR修正
[武器一覧表]のSTR修正の項目には/を挟んで、2つの数字が記載されています。/の前が必要STRで/の後が優越STRになります。
必要STR
各武器の必要STRはその武器をペナルティー無しで使用するためのSTRの値です。この値に満たないSTRで、その武器を使用するときには、足りないSTRの半分だけ武器技能の判定で成功倍率が差し引かれます。(端数切り上げ。)たとえばSTRが3足りなければ、成功倍率-2となります。必要STRの記載のない武器は、その武器を手にできる者であれば、誰でもペナルティーなしで使用できます。
優越STR
「優越STR」より大きなSTRを持ったものがその武器を使用する際は、アクションポイント(AP)の消費少なくなります。APコストの減少はそのキャストのSTRから武器の優越STRを差し引いた差2毎に1です。ただし武器のAPコストは最高でも2までしか下がりません。(決して1にはならない)
このAPコストの減少は実際に行う行動(アクション)による修正を受ける前の、武器の本来の消費APを修正します。
実行修正
その武器を使って攻撃と受け流しを行う際の成功倍率に対する修正です。/の前が攻撃の命中判定に使用するもの、/の後が受け流しに使用するものです。この数値の記載の無い武器は、攻撃、受け流しとも修正がゼロです。
消費AP
その武器を使って攻撃を行う場合の、扱いやすさの指標です。攻撃時のアクションポイント(AP)の消費量をあらわしています。武器が弓などの射撃武器の場合は、矢を準備するアクションポイントを表します。(射撃武器の射撃を行うための消費アクションポイントは一律に3APです。)
ダメージコード
武器が攻撃時にあたえるダメージをあらわしています。ダメージコードはいくつかの数字と文字の組み合わせで表されます。
鋭利度
ダメージコードの/左側に記載される数字です。その武器の刃物としての性能をあらわしています。切り裂くことに適した、いわゆるよく切れる武器ほど大きな数字になります。
打撃度
武器の重さなどからくる、純粋な運動エネルギーとしての破壊力を表しています。基本的には重い武器ほど高くなります。また、メイスなどのように攻撃に使用する先端側が重くなっているほうが高くなる傾向にあります。攻撃の命中判定が効果的成功の場合は、1.5倍になります。決定的成功では2倍以上(致命打撃力倍)になります。
貫通力
打撃度の次に( )で括られた数字で表されますが、これはない武器もあります。おもに突き刺して使う武器ほど高いのですが、武器の攻撃力をどれだけ小さい範囲に集中させるかを表しています。相手の防具を打ち破る力を現しています。貫通に成功すると、防具の防御コードが半減もしくはゼロになります。
致命打撃力
アルファベットの”C”の右の記載されている数字で、記載されていない武器もあります。致命打撃力が記載されていない武器は、自動的に2の致命打撃力を持ちます。致命打撃力はその武器による攻撃が決定的成功になった場合に、何倍のダメージを与えるかをあらわしています。致命打撃力が2の武器は、その攻撃が決定的成功したときには、武器の打撃度が2倍になります。致命打撃力が3の場合は3倍、4の場合は4倍です。さらに、致命打撃力4の武器では効果的成功でも打撃度が2倍になります。
耐久度
武器の耐久度の数字は、その武器の壊れ難さを表しています。耐久度の数字が大きい程、壊れにくい武器です。近接武器を使用して攻撃し命中判定のサイの目が耐久度以上で、尚且つゾロ目であった場合その武器はダメージを受けます。武器を受け流しに使用した場合も同じです。攻撃自体が成功したか失敗したかは関係ありません。
重量
重量はその武器の重さです。剣などの場合は、鞘の重さは含んでいません。一般に鞘の重さは剣の重量の半分です。つまり鞘込みの場合は、重量は1.5倍になります。
重さの単位はエンク(約1kg)になります。
価格
価格は、その武器を都市で新品を購入したときのものです。中古品の場合は新品価格の75%が標準です。
通常、新品の武器は受注生産になりますが、大きな都市などでは出来合いの新品武器が店先に並んでいることもあります。
価格の単位は帝国銀貨(ISP)です。
身体武器
自身の体を使った攻撃、いわゆるパンチやキックが身体武器です。身体武器は基本的に通常の近接武器と同じように戦闘で使用できますが、何点か相違点があります。
一つ目は身体武器は通常の武器のように事前に準備することなく使用できます。また身体武器での攻撃時のSTR打撃修正は通常の近接武器の片手用の項目を使用します。
身体武器は「受け流し」に使用することも出来ますが、身体武器での受け流しは、受け流しに使用した身体部位が負傷する可能性があります。身体武器での受け流しを行って成功した場合、受け流しの成功が攻撃側の命中判定の成功の程度を上回っていない場合は、受け流しに使用した身体部位は、通常の鋭利度と打撃度をともに半分にした(端数切捨て)ダメージを受けることになります。(貫通力や致命値はかわりません。)その身体部位に防具が存在する場合は、その効力も受けることが出来ます。
盾
盾は武器としての側面と防具としての側面の両方を持つ装備です。盾を使って攻撃する場合は、通常の近接戦闘のルールに則って攻撃を行います。
また、盾は小型、中型、大型の3種類に分類されます。それぞれによって戦闘での使い勝手が違います。
盾を装備しての近接戦闘
近接攻撃を行う者が中型以上の盾を装備している場合、その者が反対の手の武器で行う攻撃の命中判定には不利な成功倍率修正が付きます。中型の盾を装備した場合は、-1、大型の盾を装備している場合は-2の修正が命中判定に課せられます。これは大きな盾を装備することによる動き難さを表しています。
また、盾を装備している者が攻撃を受けて即時反撃を行う場合、受け流しに使用した盾は受け流しが決定的成功であったときだけ使用することができます。
盾を装備している者を近接戦闘で攻撃しようとする場合は、その盾のブロック範囲からの攻撃の場合、例え攻撃に成功しても、盾によるブロックを受ける可能性があります。盾のブロック範囲から攻撃を行い、命中した攻撃が盾の装備している腕であった場合は盾はその攻撃をブロックします。(攻撃は盾に当たったことになります)もしも、装備している盾が中型の盾の場合は装備している腕以外に、胸への命中もブロックします。盾が大型の場合はさらに腰への命中もブロックします。
盾によってブロックされた攻撃の打撃度が盾のブロック値以下の場合は、自動的にその攻撃ははじき返され、失敗に終わります。攻撃の打撃度がブロック値を上回っている場合は、盾は攻撃を受け止めきることができません。しかしこの場合でも攻撃の鋭利度と貫通力は全て失われ、打撃度も半減して命中することになります。
盾一覧表
名称 | 技能 | 種別 | ブロック値 | STR 修正 | 実行 修正 | ダメージ コード | AP コスト | 耐久度 | 重量 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バクラー | 盾 | 小型 | 14 | 10/14 | 0/0 | 0/6 | 3 | 70 | 1.5 | 10 |
ターゲットシールド | 盾 | 中型 | 16 | 12/16 | 0/+1 | 0/7 | 3 | 65 | 2.0 | 15 |
ホプライトシールド | 盾 | 大型 | 18 | 14/18 | 0/+2 | 0/8 | 4 | 65 | 4.0 | 20 |
遠隔武器
遠隔武器には、射出武器と投擲武器の2種類があります。射撃武器は遠隔攻撃専用の武器ですが、投擲武器は近接戦闘でも使用できます。投擲武器を近接戦闘で使用する場合は、近接武器表のその武器のデータを使用します。
射撃武器
射出武器一覧表
技能 | コード | 射程 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ボウ | |||||||||
クロスボウ | |||||||||
必要STR
その射撃武器を使用するのに必要なSTR値です。この数値以上のSTRを持たない者が、この武器を使用すると足りないSTR2毎に武器の打撃度が1減少します。また、射撃武器には優越STRはありません。
ダメージコード
近接武器と同じく「鋭利度/打撃度(貫通力)C致命打撃力」の順で並んでいます。
消費AP
射撃武器の消費APの項目は、その武器を使用するのに必要なAPではなく、その武器に矢玉を込める装填に必要なAPを表しています。じっさいの射撃に必要なAPは武器の種類にかかわらず3APになります。
基準射程
射撃武器は、遠い目標を攻撃するほど、命中力も攻撃力も減衰します。基準射程を超えた距離にある目標を攻撃する場合は、命中判定の成功倍率と打撃度から1が差し引かれます。基準射程の2倍以上離れている場合は2が差し引かれます。このようにして、命中精度、威力ともに減衰していき、打撃値がゼロになる距離か、基準射程の5倍のどちらか短いほうが、その武器の最大射程になります。必要STRを満たしていない状態で射撃武器を使うと、打撃値が修正されますので、それにともなって、最大射程も影響を受けることになります。射撃武器は最大射程よりも遠い目標には効果を発揮出来ません。
射程の影響については[射程修正表]を参照してください。
耐久度
射撃武器の耐久度は命中判定のサイの目が、耐久度以上でゾロ目の場合に使用しますが、これに失敗しても、近接武器のように鋭利度は下がりません。代わりに、射撃装置の一部(通常は弓弦)が切れたことを意味します。これは予備があればその場で交換可能な、いわば消耗品です。命中判定のサイの目が99もしくは00の場合は、もう一度D100を振り、その出目が射撃の耐久度以上であった場合は、発射装置の本体の破損を表しています。この破損は、修復不可能です。
射程修正表
投擲武器
遠隔武器のなかで、武器を直接手で投げて攻撃する武器が投擲武器です。投擲武器は遠隔武器ですが弓などと違い、STRによる打撃修正がつきます。また、投擲武器は近接武器としても使用できます。投擲武器を近接武器として使用する場合は、近接武器一覧表のデータを使用します。
防具
敵の凶悪な攻撃から最後に身を守ってくれるのが、兜や鎧などの防具です。防具の主な素材は、皮革、木材、青銅、鉄等です。ときには、鋼鉄や更に希少なチタニルなども使われます。
防具一覧表
クフルヴィア世界の都市で一般に購入可能な防具は防具一覧表に記載されています。
防具一覧表
ヘルム | 帝国軽歩兵 標準装備 |
|||||||
ホバーク | 帝国軽歩兵 標準装備 |
|||||||
ブーツ | 帝国軽歩兵 標準装備 |
|||||||
コイフ | ||||||||
ジャケット | ||||||||
パンツ | ||||||||
ブーツ | ||||||||
グラブ | ||||||||
ヘルム | ||||||||
キュイラス | ラムスル軽歩兵 標準装備 |
|||||||
グリーブ | ラムスル軽歩兵 標準装備 |
|||||||
スカート | ラムスル軽歩兵 標準装備 |
|||||||
ヴァンブレース | ラムスル軽歩兵 標準装備 |
|||||||
チュニック | ||||||||
ブーツ | ||||||||
スリーブ | ||||||||
帝国重歩兵 標準装備 |
||||||||
ホバーク | 帝国重歩兵 標準装備 |
|||||||
コイフ | ||||||||
コイフ | ||||||||
ホバーク | ルラシア 聖帝騎士団 標準装備 |
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パンツ | 腰部はソフトレザー | |||||||
キュイラス | 帝国騎士団 標準装備 |
|||||||
ガントレット | 帝国騎士団 標準装備 |
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帝国騎士団 標準装備 |
||||||||
スリーブ | 帝国騎士団 標準装備 |
|||||||
スカート | 帝国騎士団 標準装備 |
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キュイラス | ラムスル騎士団 標準装備 |
|||||||
グリーブ | ラムスル騎士団 標準装備 |
|||||||
ラムスル騎士団 標準装備 |
||||||||
チュニック | ||||||||
ヴァンブレース | ||||||||
グリーブ |
装着箇所
防具は一般に身体の各部を守る、細かな部品の集合体です。
装着箇所の欄には、その防具が身体のどの部分を守るのかが記載されています。この部位は戦闘時の命中箇所に対応しています。兜は装着箇所が頭部となっていますが、これは命中箇所判定で、頭部への命中を受けた場合に役立ってくれることを意味しています。
また、ひとつの防具が複数の装着個所を持っている場合があります。これらの防具を複合防具と呼びます。複合防具では装着箇所毎に防御コードと間隙値があります。それ以外はあくまでもひとつの防具として扱います。耐久度なども全体でひとつです。
防御コード
防御コードの欄に記載されている数字は、その防具の防御力を表しています。/の前が鋭利度修正、/の後が打撃度修正になります。
鋭利度修正
防具の鋭利度修正はどれだけ刃物を防ぐかを表しています。攻撃が命中した際に、武器の鋭利度から、この鋭利度修正を差し引くことができます。但し、あくまでも鋭利度を相殺するのみで、結果は負の値にはなりません。貫通などの効果で鋭利度修正が半減する場合は、端数切り捨てとなります。
打撃度修正
攻撃武器の打撃度を修正するのが打撃度修正です。打撃度修正も鋭利度修正と同じく、武器の打撃度を相殺するだけで、打撃度を負の値には出来ません。貫通等の効果で打撃度修正が半減する場合は、端数は切り捨てとなります。
間隙値
この項目には数字もしくはFの文字が記載されています。Fと記載されている防具は、その装着部位を完全に覆っていることを表しています。その部位への攻撃を受けた場合は、必ず、防具の防御が働きます。数字の場合は装着部位の一部だけが覆われている状態の防具で、貫通判定のサイコロの目がこの数字よりも大きかった場合には、防具の防御効果を受けることが出来ません。攻撃は防具のないところに命中するのです。また、間隙値のあとにBと表記されている防具は後方開放型防具です。このような防具で背後からの攻撃が命中した場合には、間隙値から3を差し引きます。間隙値がFの防具の場合は、背後からであっても、必ず防具に当たります。
耐久度
敵の攻撃が防具に命中し、そのダメージダイスで0(ゼロ)の目が出たサイコロがあったならば、防具は損傷する可能性があります。D100を振って、出目が防具の耐久度よりも大きければ、防具の耐久度は、1D6低下します。
装着
装着の欄に記載されているのは、その防具を装備するのに必要なアクションポイントもしくは戦闘ターン数です。(#APの表記がアクションポイント、#Tの表記が戦闘ターン数を表しています。#は数字です。)また、数値が括弧で括られている場合は、装着するために誰かに介添してもらうことが必要です。介添無しでは装着出来ません。
重量
その防具の重さです。防具の重さは着用している場合、行為判定などへのペナルティーに関しては半分として考えます。単位はエンク(約1kg)です。
価格
価格は新品の価格で、使用者に合わせた調整費用も含まれます。新品の防具は基本受注生産です。中古品のを場合は価格は75%になります。(調整費を含みます。)
身体部位
ゲーム上に登場するキャラクターやモンスターは幾つかの身体部位で表されます。例えば人間は頭部、胸部、腰部、腕部、脚部の5つの身体部位を持っています。
戦闘で外傷を負う可能性が合う場合は、攻撃がどの身体部位に命中したかを判断し、それによって、防具の効果や実際に負傷した場合のペナルティーなどが変わります。
通常、攻撃がどの身体部位に命中したかを決定する場合はキャラクターシートにもある「命中部位判定表」を用います。近接戦闘での攻撃の場合は近接戦闘の欄を使用し、遠隔武器による攻撃や、射出型の魔法による攻撃の場合は射撃戦闘の欄を使用します。また、攻撃を受ける側がまったく無防備の場合は、近接戦闘であっても射撃戦闘の欄を使用します。
近接戦闘
直接、殴り合ったり、剣や槍を交えたりする戦いが近接戦闘です。近接戦闘では、攻撃命中判定→命中個所判定→貫通判定→ダメージ決定の順で解決します。
近接戦闘では使用している武器の間合の範囲で、なおかつ、自身の前方の敵のみを攻撃出ます。マス目(グリッド)を使った地図上で戦闘を行っている場合は、間合2につき1マスとして計算します。つまり、間合1と間合2の武器は自身の隣接しているマスにのみ攻撃できます。間合3と間合4の武器は、さらにその隣のマスを攻撃できます。攻撃可能な範囲については、図を参照してください。
攻撃命中判定
攻撃の行動(アクション)を実行するとき、まずは命中判定が行われます。 命中判定は使用している武器の技能判定で行います。命中判定の要求技能レベルは基本1、成功倍率は5になります。また成功倍率は以下の要素で修正されます。
相手が盾を持っている場合は、それをなるべく避けて攻撃することが出来ます。その場合は命中判定の成功倍率から1(小型盾)、2(中型盾)3(大型盾)を差し引くことが出来ます。これを行うと命中箇所判定時に盾に命中することはなくなります。(通常通りに命中箇所判定を行い、本来盾によってブロックされている部位への命中結果でも、盾に触れず、ブロックされないことになります。
近接戦闘命中判定成功倍率修正表
1)視界外から攻撃を行う。 | |
2)転倒している相手を攻撃する。 | |
3)意識を失った相手を攻撃する。(1や2とは累積しない) | |
4)視界不良、暗闇での攻撃 | |
5)完全な闇での攻撃 | |
6)盾を持っている相手を攻撃する。 |
命中判定の結果
- 失敗 攻撃は空を切ります。完全に失敗です。
- 成功 攻撃は命中します。次の命中箇所判定に移ります。
- 効果的成功 攻撃は強く命中します。次のダメージ決定時に、武器の打撃度が1.5倍になります(端数切り上げ)また貫通力は+1されます。
- 決定的成功 攻撃は致命的な一撃となります。次のダメージ決定時の武器の打撃度が2倍になります。武器の致命打撃力が3以上あればその数値倍にになります。また貫通力は+2されます。
近接戦闘命中判定結果表
攻撃は外れる | |
攻撃は命中する。防御側は受け流しか回避の判定を行える。 | |
攻撃は命中する。武器の打撃度が1.5倍(端数切り上げ)になる。 | |
攻撃は命中する。さらに武器の打撃度が致命度値倍になる。 |
武器の損耗
命中判定のサイの目が使用した武器の耐久度以上で、なおかつ、ゾロ目の場合は、武器自体にダメージがはいり、その武器の鋭利度が1点失われます。失われた鋭利度は、<鍛冶>の判定に成功すれば回復します。この作業には2時間かかります。、<鍛冶>を行うための簡易作業道具が必要です。また、ダイスの目が99もしくは00の場合には、もう一度ダイスを振り、武器の耐久度以上が出れば、破壊され、使用できなくなります。98以下の場合は、通常通り鋭利度が下がります。
近接戦闘武器損耗破損表
D100で武器の耐久度以上が出れば破損。武器破損表へ | |
武器の鋭利度が1点減少する。 |
受けと回避
攻撃を受けた側は、その攻撃が命中だった場合、手持ちの武器や盾で受け流したり、回避(身をかわす)したりできます。受けか回避のどちらか一方しか行えません。また、受けにも回避にもアクションポイントが必要ですが、アクションポイントが足りなくても、受けも回避も試みることはできます。ただし、足りないアクションポイントごとに受けや回避の成功倍率が-2されます。たとえば回避の消費APは本来3ですが、まったくアクションポイントが残っていなかった場合は成功倍率を-6して試みることができます。また、アクションポイントが足りない場合は、受けや回避に効果的成功以上をした場合の即時の反撃は当然ながら行えません。
また、アクションポイントが残っていても、あえてそれを使わずに受けや回避を行うこともできます。その場合は、効果的成功以上で受けや回避に成功すれば、残っているアクションポイントを消費して即時の反撃を行えます。
命中部位の決定
攻撃が命中することが決まったならば、次は体のどの部位に命中したのかを、命中部位表でD100を振って決定します。命中部位表は近接戦闘と射撃戦闘では参照欄が異なります。また、攻撃を受けた対象が盾を保持している場合は、盾に命中する可能性があります。防御側が小型の盾を持っている場合は、命中部位判定のダイスの目がゾロ目の時には、攻撃は盾に命中したことになります。保持している盾が中型の盾の場合はゾロ目もしくは1違いの場合に盾に命中したことになります。大型の盾の場合は、下1桁が偶数の場合に盾に命中したこととなります。
命中した部位に防具がある場合は、次のダメージの決定の段階で、その効果を適用します。
貫通間隙判定
命中部位が決定したならば、貫通間隙判定を行います。貫通間隙判定では1D10と1D6を振ります。攻撃が命中した部分の防具の間隙値と1D10の出目を比較します。ダイスの目が間隙値よりも大きければ、それは防具の隙間に当たったことになり防具は防御効果を一切発揮できません。(1D10のゼロの目は10として扱います。)
また攻撃に使用した武器に貫通力がある場合は、1D6のサイの目が貫通力以下だった場合、防具の鋭利度修正、打撃力修正の両方が半分になります。
貫通間隙判定は防具の効果を半減させたり、無視したりする結果を生みますが決してダメージを加算する効果は生み出しません。従って、命中部位が防具のない部位である場合は貫通判定の必要はありません。
貫通/間隙命中判定表
貫通判定 | 間隙判定 | ||
---|---|---|---|
1D6 | 貫通結果 | 1D10 | |
武器の貫通力以下(命中判定が効果的成功以上の場合は貫通力+1) | 貫通成功 防具の防御効果は半減(端数切捨て) | 防具の間隙値以下 | 防具が効果を発揮 |
貫通力よりも大きい | 貫通失敗 防具は全能力を発揮可能 | 防具の間隙値よりも大きい | 防具なしとして扱う。 |
ダメージの決定
攻撃が命中した場合、命中した武器のダメージコードをもとにダメージレンジを計算します。ダメージレンジはその攻撃が与える可能性のあるダメージの範囲を表しています。たとえばダメージレンジが15の場合はその攻撃は最高で15ダメージを相手に与えることになります。
ダメージレンジの算出
攻撃が与えるダメージを決定するためには、まず武器のダメージコードを確認します。ダメージコードは#/#の形で表された2つ数字で、/前の数字を鋭利度、後ろの数字を打撃度と呼びます。これらの数字は、戦闘においては相手の鎧や命中判定の結果などによって修正を受けます。修正後のダメージコードの前後の数字を足したものをダメージレンジと呼びます。ダメージレンジの算出には以下のルールがあります。
- 命中判定の、成功度合いによる、打撃度の修正などは防具によって武器の打撃度を修正する前に行います。
- 武器に鋭利度があり、防具の鋭利度修正を適用したあとでも鋭利度がゼロ以下にならなかった場合は、残りの鋭利度を2倍にしてダメージレンジを計算します。
- 防具による修正などを課したあと、ダメージレンジが0以下になった場合は、攻撃は全くダメージを与えません。
ダメージレンジを式で表すと以下のようになります。
(鋭利度ー防具の鋭利度修正)✕2+(武器の打撃度+STR打撃度修正)✕命中判定の結果による修正−防具の打撃度修正
注)防具の修正を受けても鋭利度、打撃度、ともに負の値にはなりません。負の値になった場合は0として扱います。
防具の鋭利度修正、打撃度修正はそれぞれ、貫通が起こっている場合は半減します。
STRによるダメージコード修正
ダメージレンジの算出の際、 近接戦闘でSTRが11以上のキャラクターの攻撃では武器の打撃度が修正されます。
また、投擲武器による遠隔攻撃の場合も修正されます。修正の内容については、「STR打撃度修正表」に明示されています。
STR打撃度修正表
ダメージダイス
ダメージレンジが算出されたら1D10を振り、出た目がダメージレンジ以下だった場合、出目分だけダメージを与えます。出た目が、ダメージレンジを超えた場合はダメージレンジの半分(端数切捨て)がダメージになります。
ダメージレンジが10以上になった場合は、D10をもうひとつ余分に振ることができます。両方のさいの目の合計がダメージレンジ以下だった場合は、その合計が与えるダメージになります。さいの目の合計がダメージレンジを超えた場合は、2つのD10のうち、高い方の目をダメージとします。
ダメージレンジが20以上になった場合はD10を3つ振ります。出目の合計がダメージレンジ以下ならば、出目と同じだけのダメージレンジを与えます。ダメージレンジを超えてしまった場合は、3つのダイスのうち大きな目を2つ選んで、その合計が与えるダメージになります。
ダメージレンジがさらに大きくなった場合も、同じようにダメージレンジが10増える毎に振るダイスがひとつ増えます。また、レンジを超えてしまった場合は、最も小さな目のダイスを指し引いて合計を計算します。
ダメージ決定のD10はゼロ(0)の目は10と読みます。ただし、これには例外があります。ダメージレンジが10以上でダメージダイスがすべて0だった場合、ダメージはゼロになります。
攻撃が命中し、1以上のダメージレンジが適用される場合、ダメージレンが9まではダメージダイスがダメージレンジを越えたときに、ダメージレンジが10以上ならば、ダメージダイスがすべて0のゾロ目のときにダメージはなしになります。
ダメージダイスを振った結果としてダメージが0になった場合は、かすり傷です。この傷はキャラクターの健康状態や行動になんら影響を与えることはありませんが、攻撃自体が当たっていることには変わりありません。
接触によって発動する魔法や毒などが武器にこめられている場合は、その効果は発揮されます。防具の効果によってダメージレンジが0以下になった場合はダメージダイスを振りませんし、これらの武器に付随する毒の効果は発揮されません。(魔法の効果は防具越しでも発揮されるのが普通です。)
ダメージダイス早見表
武器の損耗と破壊
武器は使用していると、損耗して鋭利度が下がることがあります。鋭利度を持っている武器は、攻撃の命中判定の際にゾロ目となり、なおかつ、そのダイスの目が武器の耐久度以上の場合は、鋭利度を1点失います。鋭利度の損耗は、〈鍛冶〉技能の判定に成功すれば、回復できます。要求技能レベルは1。
また、受け流しに使った盾や武器も損耗の可能性はあります。受け流しの判定でゾロ目が出て、なおかつその目が武器の耐久度以上の場合は武器の鋭利度が1低下します。受け流しに使用したのが盾の場合は、盾にはもともと鋭利度がないので、この影響は受けません。
受け流しの判定のさいの目が、99または00の場合は武器の破壊判定が必要になります。もう一度ダイスを振り、耐久度以上の数字が出れば武器は破壊されます。盾も同じように破壊されます。
その他の近接戦闘に関するルール
武器を落とす
強打攻撃を受け流すときに、99もしくは00の目が出た時には、受け流しに使用した武器の破壊を判定すると同時に、その武器を落とさなかったかどうかの判定も行います。判定はSTRの能力値判定で、その武器が片手用武器の場合は、✕3、両手武器の場合は、✕5になります。この判定に失敗すると、受けに使用した武器を落としてしまいます。
攻撃側もまた、命中判定のダイスの目が99もしくは00の場合には武器を落とす判定が必要です。攻撃側でも防御側でも武器を落とす判定は武器の破壊の判定とは全く別に独立して行います。結果として、落とした武器が、破壊されてる場合や、武器は破壊されるが、落とさないこともありえます。
連続攻撃と疲労(選択ルール)
一度の手番に3回以上の近接攻撃を行うと一時的疲労に陥る可能性があります。3回目の攻撃の命中判定を行った直後に一時的疲労の判定をするためにCON(5)の判定を行います。この判定に失敗すれば一時的疲労状態になります。判定に成功すればとくにペナルティーはありません。さらに連続で攻撃する場合は攻撃するたびに一時的疲労の判定を行います。またその際には攻撃を重ねるごとにCON判定の成功倍率が1づつ低下します。
既に一時的疲労状態のキャラクターは連続攻撃の影響を受けません。
連続攻撃の制限は手番あたり3回以上の攻撃なので、攻撃自体は連続していなくとも3回の条件を満たせば一時的疲労の判定を行わなくてはなりません。また「待機」や「パス」が挟まることによって1戦闘ターンの手番が複数に分割される場合は、それぞれで3回以上の基準になります。たとえば最初の手番で近接攻撃を2回行い「待機」を宣言し次に手番が回ってきたときにもう一度攻撃する場合などは、一時疲労の判定対象にはなりません。
利き腕と二刀流
片手用の近接武器を使用する場合、通常その武器は利き手で使用します。盾を装備する場合は反対の手で使用します。何らかの理由で武器を逆の手で使用する場合は、命中判定の成功倍率は−2されます。また両手に片手用武器をそれぞれ装備する場合は利き腕の側の武器の命中判定の成功倍率も−1されます。キャラクターが恩寵特典の《両手利き》を持っている場合は、これらの修正は全く受けません。盾に関しては、もともと逆手での使用を訓練するので、これらの不利な修正は受けません。
遠隔戦闘
弓やスリングなどのいわゆる飛び道具での戦闘が遠隔戦闘です。ジャベリンやトマホークの様に投げて使用する投擲武器も遠隔戦闘として解決します。遠隔戦闘では弓やスリングなどの射撃武器を用いて行うもの、ジャベリンやトマホークなどの投擲武器を用いるもの、攻撃用魔法を用いるものなどが考えられますが、この項目では射撃武器と投擲武器による戦闘を解説します。
遠隔戦闘の基本
遠隔戦闘では攻撃を行う者は攻撃の目標を直接見ることが出来なくてはなりません。遠隔戦闘で使用される武器は一部の特殊な物を除いて、直線、もしくは緩やかな弧を描いて飛翔するものです。そのため、攻撃を行う者と攻撃を受ける者の間に障害があると攻撃できません。
障害によって目標の一部のみが隠れている状態のときは、命中率こそ下がりますが攻撃自体は可能です。
遠隔戦闘では敵までの距離、目標が動いているか停止しているか、全部が見えているのか一部のみなのか、こうった点が近接戦闘以上に重要です。
遠隔戦闘の基本的な手順は近接戦闘と同じですが、いくつかの違いもあります。
- 命中判定 使用する武器の技能を用いた命中判定を行います。通常攻撃の場合は要求技能レベル1、基本の成功倍率は5になります。
- 回避、受け流し判定 遠隔攻撃のうち、投擲武器による攻撃は<回避>や<受け流し>を試みることが出来ます。射撃武器による攻撃は基本的に受け流したり、回避したり出来ません。投擲武器の<回避>や<受け流し>の要求技能レベルは3になります。また成功倍率は3です。<受け流し>を盾によって行う場合は要求技能レベルは2、成功倍率は5になります。
- 命中部位判定 命中部位判定の遠隔戦闘の欄を使用して命中部位を決定します。
- 貫通判定 武器の貫通力や防具の間隙値による判定は近接戦闘の場合と同じです。
- ダメージの決定 打撃度の修正などが近接戦闘とは異なりますが、手順は同じです。
命中判定
遠隔武器による攻撃では命中判定の成功倍率は他の技能判定と同じく5ですが、これは様々な要因で修正されます。
- 武器の実行修正による修正 近接戦闘と同じように遠隔戦闘でもその武器固有の実行修正値ぶんだけ成功倍率を修正します。当然ながら実行修正値のない武器を使っている場合は、この修正はつきません。また、投擲武器は近接武器として使う場合と遠隔武器として使う場合で実行修正値が違う場合がありますので、必ず投擲武器としての実行修正値を使用します。(一般に投擲武器として使用したほうが実行修正値は低くなります)
- 目標までの距離による修正 目標までの距離が武器の基準射程と比べてどれくらい離れているかによって修正が変わります。
- 目標が、完全に露出していない、部分遮蔽の状態のときは成功倍率が修正されます。
射程距離による修正
攻撃を行う者から、目標までの距離によって命中判定の成功倍率は修正されます。各距離による成功倍率修正は[射程修正表]に記載されています。[射程修正表]を参照するときに使用する武器の基準射程は、投擲武器の場合はSTRによる修正を受けます。その修正は投擲武器のSTRによる打撃修正と同じです。
部分遮蔽による修正
遠隔攻撃の目標が、何らかの障害(壁や樹木、岩、馬車、そのほか様々)によって一部が隠れている場合は部分遮蔽であると考えます。部分遮蔽は、目標が半分程度露出している状態ならば成功倍率がー1されます。目標が1/4以下の露出の場合はー2の修正を課します。部分遮蔽状態の目標に、遠隔攻撃が命中した場合は、命中部位判定で明らかに遮蔽状態の身体部位への命中の結果が出た場合は、命中判定のダイスを振りなおします。
目標の大きさによる修正
遠隔戦闘の命中判定の基本成功倍率5は、人間サイズの目標の場合です。それよりも少し小さな目標(たとえば人間の子供やゴブリン、中型犬)の場合は成功倍率がー1されます。さらに小さな場合はー2(小型犬程度)されます。
逆に、大きな目標の場合(オグルや馬、虎)は+1されます。さらに大きな目標(トロルや像など)は+2です。(体格修正)
移動目標
移動中の目標を遠隔戦闘で攻撃する場合は、成功倍率から1を差し引きます。目標が行った最後の行動(AP消費)が移動であり、停止するような行動を同時に行っていない場合は、目標は移動中と考えます。
移動しながらの射撃
遠隔攻撃を行う者が移動しながらの場合は様々なケースが考えられます。まず、自身の脚で移動している場合と騎乗したり、戦車や馬車などの乗り物に乗っている違いです。
あと、射撃方向が移動方向の正面か側面かによっても変わります。
徒歩で移動しながら移動方向正面の敵を遠隔攻撃する場合は成功倍率が+2されます。側面方向への遠隔攻撃は+4されます。走行移動しながらの場合はこれらの修正は2倍になります。
騎乗して移動する場合は、徒歩で移動する場合の半分の修正で済みますが、命中判定に使用する技能は<乗馬>と<遠隔武器>のどちらか低いほうの技能レベルを使用することになります。戦車や馬車で移動する場合は自身が御者でなければ、徒歩移動の修正の半分で、<乗馬>や<御者>の影響もうけません。
自身の脚で疾走しながらは遠隔攻撃を行えません。騎乗状態の場合でも、馬が疾走状態ならば遠隔攻撃は出来ません。戦車や馬車の乗員の場合は疾走状態でも遠隔攻撃は行えますが修正は2倍になります。
射程距離によるダメージコード修正
射撃武器、投擲武器を問わず、 飛び道具での攻撃では、武器の基準射程を超えていると、武器の打撃度から1を差し引きます。また、武器の基準射程の2倍を超えていたならば、2を差し引きます。3倍を超えている場合は3を差し引きます。詳しくは[射程修正表]を参照してください。
射撃武器
遠く離れた目標に向けて、矢玉を発射して攻撃する武器が射撃武器です。
射撃戦闘の命中判定
通常は、射撃戦闘で攻撃できる目標は、直接視認出来る目標だけです。基準射程の5倍までの距離にある目標を射撃戦闘では攻撃できます。射撃戦闘の命中判定の要求技能レベルは1です。また、命中成功倍率は射程修正表に記載されたように、修正を受けます。射撃武器の射撃に必要なAPは武器の種類に関係なく、基本が3APになります。
狙いを定める
射撃戦闘を補助するアクションとして、狙いを定めた射撃を行うことができます。狙いを定めることによって、命中判定の成功倍率に2を加えることができます。狙いを定める射撃戦闘では、攻撃に必要なアクションポイントが2倍になります。
束ね打ち
弓での射撃戦闘の場合、一度の射撃で2本の矢を束ねて、同時射撃することができます。(弩では出来ません。)束ね打ちをする場合は、命中判定の要求技能レベルは通常の1ではなく、4となります。また、成功倍率からは1が差し引かれます。アクションポイントも余分に1点必要です。
束ね撃ちが、効果的成功であった場合には、矢が2本とも命中します。通常の成功の場合は1本だけです。命中した矢は、それぞれ別に命中箇所の判定とダメージの判定を行います。
矢をつがえる
射撃武器では、射撃する前に、矢などの玊を武器に装填つがえなくてはなりません。矢を矢筒から取り出して射撃出来る状態にするには、射撃武器のAPの欄に記載されただけのアクションポイントの消費が必要です。
投擲武器
投擲武器での攻撃も、基本は射撃武器と同じように解決しますが、以下の点が違います。
必要STR
投擲武器の必要STRが満たせない場合は、その不足する2ごとに、武器の打撃度から1が差し引かれると同時に基準射程も2メートルづつ差し引かれます。また、必要STRの半分に満たないSTRの場合は、攻撃に使えません。逆に、投擲武器では、必要STRを2以上上回っている場合は、2上回るごとに、基準射程が2メートル伸びます。こうした、STRによる基準射程の延長は、最大でもともとの基準射程の1.5倍までとなります。いくらSTRが高くとも、それ以上は伸びません。
追加打撃度
投擲武器では近接武器と同じように、STRが10以上ある場合に、打撃度が増えます。但し、近接武器と違って、STRが10上回る毎に打撃度+1になります。[STR追加打撃度表]を参照してください。
消費AP
投擲武器に記載されている消費APは、射出武器と違い、その武器を使用しての攻撃を行うときの消費APです。