武器や防具、その他さまざま装備には重量があります。W&Wでは装備品の重量はエンクという単位を用います。1エンクはわれわれの世界の1kgにあたります。
 装備品は、ある程度以上に持ち歩くと、キャラクターの行動などに様々なペナルティーが発生することがあります。
このペナルティーは装備の重さと、キャラクターのSTRによって変わります。

荷重修正表

装備重量
成功倍率修正
移動修正
なしなし
STR以上STRの2倍まで-1疾走不可能
STRの2倍以上3倍まで-2疾走不可能
STRの3倍以上5倍まで-3疾走および走行不可能
STRの5倍以上、10倍まで-4移動不可能

荷重

基本的にSTRの5倍の重さの装備まで身につけて動くことが出来ます。それ以上の重さになると身につけたり、持ち上げたりは何とかできますが、移動することができません。
STRの10倍を超える重さは持ち上げることもできません。
 装備品の重さは荷重を計算する際に、装備方法によって計算が変わります。鎧や衣服のように着用している装備は重さを半分にして荷重を計算します。剣なども鞘に収めて腰に吊っている状態では重さを半分に計算します。厳密には冒険の途中などで剣を抜くと、剣の分の重さは通常に戻るのですが、煩雑さを避けるために普段吊っている武器は、戦闘中でも重さは半分と考えることにします。

荷重による影響

自身のSTR分の重さまでならば、特に不利な影響を受けることなく行動することができます。それ以上の重さを運ぶ場合は様々な不利が生じます。

成功倍率への影響

 荷重による成功倍率の影響は、主にQUI、DEXの能力値判定とこの二つの能力値を関連能力値とする技能判定の成功倍率を低下させます。それ以外の能力値に関連する判定には通常、荷重による成功倍率修正は適用しません。(負傷による成功倍率修正はその他の能力値に依存する行為判定にも適用されます。)

移動への影響

荷重は移動にも影響を与えます。荷重の移動への影響は、疾走や走行の可否と移動力の低下という形で表されます。また実際の移動距離は前述のAP減少によっても実質的に少なくなることになります。

運搬手段

 装備品を運搬するには、自身で着用する以外には、何らかの鞄に入れて持ち歩くことになります。この鞄は基本的にバックパックとベルトポーチに分けられます。クフルビア世界には、もちろん他の形式の鞄もありますが、この基本ルールではこの2種類だけを扱います。

バックパック(背嚢)

背中に背負う鞄がバックパックです。バックパックは一般的に綿布や皮革が使用されますが、中には木製や蔓を編んだものなどもあります。様々な種類の素材バックパックですが、ゲームのルールとしての取り扱いは基本的に同じです。バックパックはその定められた重量内の荷物を収納することが出来ます。W&Wのルールでは煩雑さを回避するために収納に関しては体積や嵩高さは厳密に定めません。それらが問題になりそうな場面ではゲームマスターが判断するようにしてください。
 戦闘ターン中にバックパックから荷物を取り出す場合は、2d6アクションポイントを消費します。実際にものを取り出す際に振ったダイスの目が大きく、取り出すのをあきらめる場合は、ダイスの結果によらずに3APを消費して、取り出す行為をやめることが出来ます。一度取り出しをあきらめたものを再び取り出そうとする場合は、もう一度2D6を振って消費アクションポイントを決定します。この際には先に取り出しを試みた際のアクションポイントはまったく考慮しません。
 バックパックから物を取り出すためには、先に2APを使用して、背中からバックパックを下ろさなくてはなりません。

ベルトポーチ

ベルトに直接取り付ける小さな鞄がベルトポーチです。
ベルトポーチは、通常通り重量による制限があるほか、バックパック以上に嵩高さによる制限を受けます。一般に15cm四方程度の大きさまでなら、ベルトポーチに収納することが出来ます。ベルトポーチはいくつかのポケットに分かれているのが普通で、1つのポケットには1つのアイテムだけを収納します。そうすることによってそのアイテムをすばやく取り出すことが出来るのです。このようにベルトポーチに収納したものを取り出す場合は2APを消費します。またベルトポーチへの品物の収納も2AP消費します。

ウエストバッグ

ウエストバッグはベルトポーチのように腰にベルトで取り付ける鞄ですが、収納するアイテムごとの区分けはされていません。したがってその重量制限までの範囲内であれば収納する物品の種類や数は問いません。(もちろん嵩高すぎる物品などは収納できませんが。)ウェストバッグに収納されているものを取り出す場合は、3APを消費します。収納する場合は2APで済みます。
  ベルトポーチの一つのポケットに複数種類の物品を収納する場合は、ルール上ではウエストバッグとして、取り扱います。

ショルダーバッグ

片側の肩にかけて使うショルダーバッグは、一般にウエストバッグよりも大きく、また中のものを取り出すために鞄を下ろす必要もありません。ショルダーバッグ内の物品を取り出すためには1d6+1APを消費します。

着用

 衣服や鎧などは、実際に着用することによって運搬するということが一般的でしょう。着用して運搬する衣服や防具は、荷重による影響を考える際にその重さを半分にして計算します。

防具の着脱に必要なアクションポイントは各防具によって決まっています。(防具一覧表)を参照。通常の衣服に関しては着脱に必要なAPは定めていません。(必要があればその都度ゲームマスターの判断に委ねられます。)

直接装着

剣などのように専用のケース(鞘)にいれて身体に直接装着するものもあります。直接装着しているアイテムは基本的に2APの消費で取り出すことが出来ます。また、専用のケースで直接装着している場合は、荷重に関しては半分の重さと考えます。