『クフルヴィア』、この地に住む人々は自分たちの世界のことをそう呼びます。この地に住む数多の種族にとって「クフルヴィア」とは世界と同義語です。また、自分たちの暮らす大陸のことも「クフルヴィア」と呼びます。不思議なことに人族の言葉だけでなく、エルフの言葉でも、ドワーフの言葉でも、オークやリザードマンの言葉でさえも、多少の訛りはあるものの「クフルヴィア」はクフルヴィアです。

 このゲームWizard & Warriorでは、プレイヤーキャラクターは剣と魔法の大陸「クフルヴィア」に住む住人の一人となります。

 Wizard & Warriorで冒険の舞台となるのはこの剣と魔法の大陸の西方地域、帝国とそれを囲む様々な国々です。

システムの概要と特徴

キャラクターの生い立ちがイメージしやすい遍歴期システム
 キャラクターの作成は生まれた国を決め、両親の職業を決め、少年時代の経験を決め、それから遍歴期として自分の選択した(可能な範囲で)職業についてさらに経験(技能や基本能力値の上昇)を行います。遍歴期は2年単位なので、歳を経たキャラクターにするほど技能は沢山もてます。老化もしますが。。。
◆詳細でデッドリーな戦闘システム
 戦闘に関するシステムはなるべく詳細にこだわったものになっています。武器のパラメーターも一般的なTRPGよりも多いかも知れません。(消費アクションポイント、必要STR、優越STR、鋭利度、打撃度、貫通力、致命度、間合い、命中修正、受け流し修正、耐久度、重量、価格)また、負傷とヒットポイントは別に扱います。一度にヒットポイントの半分以上を失う致命傷を受けたならば即死の可能性があります。そして、負傷は少しでもすると行動に対する制限が発生します。
◆戦闘以外の冒険も楽しめる経済システム
 技能が十分にあれば、鍛冶屋としてクフルビアで生きることもできます。(追加ルールで対応予定)生産職や商人などが活躍できるように、武器やその他のアイテムも壊れたり損耗したりします。
◆場所によって魔法の使いやすさに差が出るミスティックレベルシステム
 辺境地や遺跡、大自然の中ほど魔法は使いやすく、町の中、特に大都市では魔法は使いにくくなっています。(魔力が集まりずらい)
◆ヒーローをヒーローらしくする恩寵点
 プレイヤーキャラクターには恩寵点(一種のヒーローポイント)が与えられます。これを消費して行動の成功率を上げたり、特別な能力『恩寵特典』を得ることができます。

ゲームの準備

このゲームを遊ぶためにはゲームマスター役の参加者が一人とプレイヤー役の参加者が数人必要です。

また筆記用具、とサイコロも必要となります。サイコロは通常の6面体のサイコロと10面体のサイコロが必要になります。6面体は2個、10面体はできれば色違いで3個あると便利です。

またキャラクターシートもダウンロードしておきましょう。その他のサマリー類もダウンロードして印刷しておくと便利です。

サイコロ(ダイス)の表記と読み方

ゲームのルールでサイコロを振る場合は「振るサイコロの数dサイコロの種類」という表記をします。たとえば2d6という表記であれば6面体サイコロを2個振ってその出目を合計します。またd100もしくは%dという表記の場合は10面体のサイコロを2つ振ります。その際にあらかじめどのサイコロを10の位にするかを決めておきます。例えば赤と白の10面体ダイスを振る場合は、「赤を10の位にする」と宣言しておきます。そうして振ったダイスは赤のダイスの目を10に位に当てはめて1~100のランダムな数字を得るようになります。10の位のダイスで0の目が出た場合は通常は0ですが1の位のダイスも0である場合に限って10と読みます。つまり、両方のダイスが0の場合は0ではなく100になります。d100でなく、普通に10面体ダイスを振る場合は0の目は常に10と読みます。

端数の計算

ゲームのプレイ中に割り算を行う必要があった場合、特にルールに指定がなければ端数はすべて切り上げます。

世界の概略(大陸西方地域の国々)

 帝国はかつて我々の世界のローマ帝国のように、大陸の西側のほとんどをその手中に収めていました。しかし現在は分割衰退してその版図を縮小しています。それでもこの地域では間違いなく最大最強の国家です。帝国ではその名の通り皇帝に主権がありますが、実際に権力を握り国家を運営しているのは官僚たちです。
 帝国はあらゆる技術でこのクフルビア西方地域のトップレベルにあります。特に土木工事と建築の技術、それに大規模灌漑によってもたらされる革新的な農業技術はその国力を不動のものとしています。

 帝国の北東に位置するのがラムスル大公国です。かつては帝国領でしたが現在は独立し、ラムスル大公の治める国家となっています。ラムスル大公国はもともと、帝国の北にあるオーク森のオーク族が中原に侵入してくることに対する守備の要として設立された城塞都市ラムスルから発展した地域です。この星型の城壁を持つ強固な城塞都市のを治め、オークに対する防御の責を負っていたのがラムスル大公です。今もその役目は変わりませんが独立した今、ラムスルは見返りとして帝国から経済的な援助を受けています。

 帝国の南西に位置するのがサラーナ統領公国です。サラーナもかつては帝国領でした。内陸国である帝国に対して大洋に面したサラーナは海洋貿易を中心に富を集め帝国から独立しました。いまも帝都につながる大河を通じての貿易で大きな利益を上げています。
 また、サラーナはその北にある赤銅山脈のドワーフとの交易もほぼ独占しており、その首都ダバムの美しさは帝都以上といわれています。またダバムは退廃の都という二つ名を持ちます。ギャンブルと性産業は間違いなくクフルビア随一でしょう。

 サラーナのさらに北西、北北西にはウズアール皇国アルビヌウス皇国、そしてエルドル聖王国の北方三国があります。この中でもっとも重要なのはエルドル聖王国でしょうか。エルドル聖王国は最も歴史の古い国家であり、その首都エルンは歌と芸術の都、その洗練された芸術、特に建築はエルドル様式と呼ばれ、帝国の貴族たちもこれを真似て屋敷を建てたりしています。すべての美しいもの故郷などと呼ばれることもあります。エルドル聖王国は南西に隣接するエルフの森のエルフたちとの関わりがあり、その美しい工芸品はエルフの美的センスと技術の影響を受けています。一説によると聖王国の人々は幾分かエルフの血が混ざっているともいわれています。

 またエルドル聖王国は魔道の都でもあり、中原地域で支配的な神話「ルーン神話」における聖地のひとつでもあります。エルドルでは魔法を扱える才能を持つものが生まれる確立が他の地域に比べれ格段に高く、その騎士団員はほぼすべて剣と魔法の両方に秀でています。

 アルビヌウス皇国は、クフルビア世界では最北にある国家で、皇帝のもとに諸侯が集う封建国家です。気候の厳しさから食糧事情は良くありませんが、良い鉄の鉱脈が多くあり、鍛冶の技術はこの地域の国家の中では非常に高い水準です。南東部でウズアール皇国と接しており、その地域の支配権についてときおり紛争が起こります。

 ウズアール皇国アルビヌウス皇国と比べるとやや南方にあり、国土の大半を湿地が占めます。しかし、この湿地の周囲は肥沃な大地で、農作物の収穫高は作付け面積あたりでアルビヌウス皇国の2倍近くあります。また、アルビヌウスやエルドルが中原の国家、帝国やサラーナと交易するためにはウズアールを経由する以外に交易路は無く、通過する荷に対する関税においてもアルビヌウスやサラーナと対立することが多々あります。エルドルからの交易もウズアールを経由するものがほとんどですが、エルドルの交易に関しては関税率の優遇措置を実施し、外交的にはエルドル聖皇国と近い関係を持っています。アルビヌウスやサラーナと紛争になったときは、このエルドル聖王国の調停で停戦することが良くあります。ウズアールの外交の基本は親エルドル聖王国で、その聖王国の威信で帝国を抑え、アルビヌウスやサラーナに対抗するというものす。

 帝国の東端、城塞都市オストブロックの先は大湿地帯でリザードマンたちの領域になっています。オストブロックからその湿地帯を通り抜け東方へつながる街道を抜けたところが自由都市シャラアンです。シャラアンは陸路での帝国と東方世界の交易の中継地点として栄え、またその数はそれほど多くはありませんがリザードマンの友好的な部族との交易もあります。シャラアンからはさらに東方に続く街道と南東に続く街道があります。東方には中原の人々にとっては未知の世界が広がっています。シャラアンの南には大洋に面した都市国家群の沿海州連合があります。沿海州は海洋貿易の拠点であり、その交易船はサラーナ、帝国、ルラシア、さらには遥か東方のアサカやチャナと呼ばれる大国とも行き来しています。

 海洋貿易に関してクフルビア世界では我々の世界の中世よりは進んでいます。それでも造船技術も航海技術もまだまだ未熟で、何よりも羅針盤がまだ発明されていません。そのため、遠洋航海は天体観測を元に行いますが、船の対波能力も高くないため非常に危険が伴います。また、クフルビア世界には公海と領海という概念はありません。洋上ではただ軍事的な実行支配力だけが重要です。

 ルラシア聖帝国は東方諸国との境、ル・ラー半島に位置する神政国家で、代々のルラシア聖帝は現人神として敬われ、その使徒としての大貴族階級である24神将が国の中枢を担っています。
 ルラシア聖帝国は非常に士気の高い軍をもつ軍事国家であると共に、様々な宝石の産出地でもあります。ルラシア南部の山地から産出される各種の宝石は、宝飾品としてはもちろん魔力の器としての価値があり、純度が高く大振りな原石は高値で取引されます。特に水晶はルラシアの特産で、魔力の種類をとわずに蓄積することのできるその能力から、帝国や遠くエルドル聖王国までも輸出されています。

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